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 FCアルマダ期待の若手に敢えて苦言を呈す

 7月7日 スペシャル コラム
 「若さ」という表現は、躍動、可能性といったポジティブなイメージに使われる一方で、不十分、未成熟などネガティブなイメージにも使われる。FCアルマダ期待の若手3人のうち、トリッキー山下のプレーからはポジティブな「若さ」が感じられる。だが日頃の動きを見る限り、外ンポスと西牟田カルロスからは、残念ながらどちらかといえばネガティブなそれを感じた。

 日頃はおとなしく、ユニクロの袋がトレードマークの外ンポスだがピッチでは非凡なセンスを見せる。しかし、その高い技術は自分の好む間合い、リズム、タイミングでボールを受けた時にしか発揮できていない。それ以外の時には、技に溺れたイージーミス、使い古された言葉で言えば「足先」による「軽いプレー」が多いと感じる。同じテクニシャンでも、状況に応じてボールを「持つ」プレーと「離す」プレーを巧みに使い分けることを覚えたトリッキー山下と比べると、実戦で発揮される能力の差はかなり大きいだろう。今後、外ンポスには、より“実践的”な技術を磨いてほしい。

 一方、西牟田カルロスには本家ロベルト・カルロスばりの、思い切りのいい溌剌(はつらつ)としたプレーを期待したが、逆に練習の中で上手く手を抜くプレー、周囲の様子を窺いながら、そつなく帳尻を合わせていくプレーが気になる。ベテランDFの闘将千北が、スライディングしてでもボールをつなごうと全力投球している傍らで、省エネに徹するかのような姿はいただけない。もっともその西牟田カルロスも公式戦となると、持ち前の負けず嫌いから、それなりに貪欲な動きを見せる。力を出す時と温存する時を使い分けるということなのだろうか。

 トライアスロン選手を対象にした興味深い研究結果がある。ゴールした選手に血液検査を実施すると、筋肉の細胞が疲労のために、理論上収縮不能の状態になっていた。それでもその選手が完走できたのは、細胞を活性化させる作用のあるACTHというホルモンを多量に分泌させていたからだった。ACTHの分泌量は脳の中枢でコントロールされるが、その部分に影響を与えるのが人の精神状態である。簡単に言えば、私たちが「やる気」になるほど、そのホルモンは多量に分泌される。「気持ち」のあり方で体に生理的な変化が生じることは、医学的に証明されているのだ。

 しかしスポーツの現場で常にドクターが血液検査を実施し、ホルモン分泌を計測することはできない。そこで現実には、選手の「気持ち」のありようは他人の主観的判断に委ねられてしまう。何をもって「やる気」とするのか、どういうプレーを「戦う気持ち」が込められているものとするのか、という判断基準は曖昧だ。しかし、実戦を想定した貪欲な動きを練習で常に発揮できれば、いずれはアスリート千北を超えることもできるはずだ。今後に期待したい。
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FCアルマダ期待の若手に敢えて苦言を呈す

精神的にも成長して欲しい西牟田カルロス
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