明日のために その@ 指示の声、要求の声、情報を与える声
第3節 VS FC BURNS 5月25日
3年連続の開幕3連敗は免れた。というよりも3試合連続で勝てる試合を勝ちきれなかったと表現した方が適切か、”内容が良かったのに勝てない”FCアルマダ。その試合直後にFCアルマダ・スーパーヴァイザー中田英寿へのインタヴューは行われた。W杯を2度経験し、戦いの舞台をイタリアに置くジーコジャパンの司令塔はFCアルマダの未来像をどう見たのか?〈以下中田〉
これはたまたまなのかもしれないけども、指示の声、要求の声、情報を与える声等のあらゆる「声」がまったくと言っていいほどないということ。もともとFCアルマダの性格上の問題なのかな?目立つことを嫌うというか……。実は、俺も昔日本にいた頃は、確かに苦手だった記憶があるけども、今では普通になっちゃったな〜。やっぱり、イタリアに来てから変わったのかな?それとも、年齢とともに意識が変わったのだろうか……。
正直なところ、Parmaでもこの問題はある。だけども、FCアルマダの問題はParmaの何倍もの大きさだね。背番号4の選手のように「声出してサッカーしようや!!!!」と鼓舞する選手もいることはいるが、この問題が解決できない限りは、チームとしての大きな成長はありえないと思う。こればかりは、残念ながら監督や周りが注意したからといってなおるという問題ではないからね。選手個人個人が相当自覚しない限りは……。
じゃあ、具体的にこの「声」というものはどういうものか? というと……
★指示の声とは
特に後ろの選手から前の選手にかける声。特に守備のときにはこれが重要になってくる。誰をマークしないといけないのか、どのタイミングでプレッシャーをかけに行けばいいのかなど。このFC
BURNS戦で何回かあったのが、数的に不利なのにもかかわらず、ボールを取りに飛び込んでしまいワンツーで抜かれてしまったといった場面。これは後ろの選手がその選手に声をかけて、きちんと止めてやらなければ駄目だね。
★要求の声とは
やはりチームが始まったばかりのこの時期はお互いが考えていることが分からない。だから、お互いが文句を言うのではなくて、きちっと声を出して要求をしあうことが大事なんだよね。じゃないとボールをつないでいるように見えるが、お互いの動きに関連性がないことが多くて攻撃が単発になってしまう。結局はただボールを回しているだけになってしまうんだよね。もっと、1人がスペースをつくってそこにもう1人が入ってくる。右サイドでひきつけておいて逆サイドに大きくサイドチェンジをしてサイド攻撃。ワンツー。などいろんなことができてくるはずなんだけど、そういった流れるような攻撃はなかったね。
★情報を与える声
これは、簡単なことなんだけど実はとっても重要なんだよね。
フリーだとか、相手が来ているだとか、そういった簡単なことなんだけど実はなかなかできないものなんだよね。これに関しては、言われた本人が「分かっているから黙っていてくれ〜」と言われるくらい言ってもいいと思う。
俺は、このコミュニケーションが完璧といわなくても、ある程度できてくるだけでも、FC
BURNS戦は勝てたと思う。今は、正直“0”に近いからね。
正直なところ、残念ながらこの試合は、あまり良い点がなかったと思う。1人1人が違う意図をもって動きをすることが多く、ボールをキープして回せていたように見えて持たせられていたことが多かった。中村砲が何発か飛び出したけど、もっと、何人かで連携をしながら攻撃をしなければならなかったね。もっと試合中からお互いが要求しあってやらないと……。
とまあ、今回は本当に、FCアルマダの足りない部分が、あからさまに出た試合だったと思う。それはそれでポジティブに考えて、次に繋げていければよいと思う。ただ、その中でも“勝利”は欲しかったね。FC BURNSも後半は途中からバタッと動きが止まったからね。なのに、FCアルマダは冷静にプレイできずにバタバタと慌てていた感があった。俺としては、どうにか勝ち点3を狙っていく意気込みが欲しかったんだけども……。非常に悔いが残った試合だったな〜。
[試合結果] FCアルマダ 0−0 FC BURNS |
|
果敢にミドルシュートを放った中村であったが……。 |