9月29日――FCアルマダは、FCトルコを相手に1点を追うという苦しい戦いを強いられたが、
左サイドに入った久保”ユウジーニョ”が後半10分に値千金の”超低空ダイビングヘッド”という、まさに”奇跡のゴール”を決め、引き分けで試合を終了。
前半はそれほど面白味のある動きがなかったものの、後半に入ると手に汗握るゲーム展開となった。交互に競り合うゲームに、
会場に詰め掛けたFCアルマダとFCトルコのサポーターは一喜一憂し、スタジアムは熱狂と興奮に包まれた。
久山では異例の無風状態で行われたFCトルコ戦に、キャプテン原ウールは司令塔久保”ユウジーニョ”をトップ下左に置き、
”ヨシダン”與子田、”ヤンカー”小倉の
2トップを起用。また、気持ち悪いぐらいのヤル気を見せる下村を右MFとし、守りの要GKには、前節ファインセーブを見せた二ノ宮トヴィッチを先発とし、試合に臨んだ。
FCアルマダは開始早々から主導権を握り、”ヨシダン”與子田、”ヤンカー”小倉とシュートを放つがゴールとは成らず、
反対にFCトルコはこの試合最初に訪れたゴールチャンスであっさり先制した。
前半15分に縦パスを合わせてシュート、ボールは嘲笑うかのように、無失点記録更新中のGK二ノ宮トヴィッチの左隅に吸い込まれた。
結局、FCトルコ1点リードと最悪の状況で前半を終了した。
この試合の前半戦は、攻撃戦略の観点から見て、あまり際だったテクニックの冴えが見られなかった。
確かにゲーム展開は速かったが、ちゃんとした審判による度重なるホイッスルによってテンポが断ち切られ、膠着した試合となった。
この状況に、キャプテン原ウールは無謀ともいえる策に出た。自らは、足の違和感からベンチに下がり、ガゼッタ紙初登場のミツグと”トリッキー”山下を投入。
さらに、GK二ノ宮トヴィッチに代え闘将千北とし、西牟田・橋ーマン・久松の3バックという危険な布陣で後半に臨んだ。
後半開始後まもなく、ガゼッタ紙初登場のミツグが活発な動きでFCトルコディフェンスを慌てさせた。そして後半10分、この試合最大の山場が訪れる。
左サイドの久保”ユウジーニョ”から、右サイドのミツグへ大きなサイドチェンジ。これを受けたミツグが絶妙なクロスを中央へ。左サイドから久保”ユウジーニョ”が走りこみ、
倒れこみながらも、頭で合わせ、値千金の同点ゴールを決めた。
同点に追いついた後、FCアルマダの攻撃は激しさを増したが、なかなか得点の好機を見つけられない。選手たちの闘志はさらに加熱し、
二ノ宮トヴィッチもイエローカードを受けた。このあたりから両チームは互いに決定点を求め、ゲーム展開は加速して行き、
大観衆の声援を受けるFCアルマダが試合を押していた。
しかし、ゴールを打ち破ることができず、スコアは1−1のままタイムアップ。
試合後のインタビューで久保”ユウジーニョ”は「もし、どのような夢を見たかったかというと、およそ今日の試合のような夢だった。
FCアルマダの最低限の目的はこれで達せられた。今日のまずい試合運びを考えると、とても良い結果に終わった。素晴らしい。ファンタスティックだ」と語った。
久保”ユウジーニョ”にとって唯一の不満は、その後の得点チャンスをことごとく逃したことだ。難しい場面ではあったが、彼の力量からは不可能ではなかった。
「決まらなかったゴールは将来に備えての貯金だよ」と、久保”ユウジーニョ”。
後半、今季2度目のGKにつくも、やはりテン張った状態で、これといった”ネタ”も提供できなかった千北は、試合中「スマン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」と一言。
そんな”ネタ”も提供できなかった千北に代わって、「FCアルマダはビックチームとの対戦には、高いモチベーション持った危険なチームへと変貌するが、格下との試合ではイニシアチブを握られることが多い。
これはFCアルマダ最大の弱点であり、FCトルコ戦はこの特徴が如実に現れた試合と言える。今後、対戦相手はここを見逃さないだろう」と、千北の息子であり、イタリアセリエAでスクデットを7回獲得した知将”ともパットーニ”は言葉少なに語った。
さらに、「その通りだね。しかしながら、FCアルマダは楽観的なムードが漂っている。選手たちはプレッシャーから解放され、「最低でも貯金1」と思っている。
このリラックスした雰囲気が、残り試合ではプラスに働くだろう」と、小倉の息子であり、サッカーの母国イングランド初の外国人監督である”エリクそうた”は締めくくった。
[試合結果] FCアルマダ 1−1 FCトルコ
福岡地区社会人リーグ第12節は10月14日にペスカトーレ福岡との対戦となっている。(11:30集合、12:30kick
off)
|