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My Shining Athlete
千北光幸
千北家一のアスリートを目指して
「ホント、DFには最適の顔ですよね」
 ファインダーを覗き込みながら、カメラマンが声を掛ける。チームメイトから度々“ネタ”にされるそのラオウ顔で叫んでいる。男は、表情ひとつ変えずに答えを返した。
「商売道具のひとつですからね。だけど、もうちょっとイイ男に生まれたかったなと思いますよ」
 美男子ではないかもしれない。器用な生き方はできないかもしれない。それでも、千北は男が惚れるオトコである。
「そんないいもんじゃないですよ。頑固ですから、基本的に」 言いたいことは、主張する。理不尽だと思えば、口に出す。マイナスだと感じることは頑として受け容れず、これと決めたことには脇目もふらずに取り組んでいく。たとえ相手が監督であったとしても、千北がその鋭い剣先を鞘に収めることはない。
「周りの人が、『それ間違ってるよ』と言っても、自分で『これだ!』と思ったことは、それが正解だと思うんですよ。自分で納得して、それが正解だと思って生きてる。まぁ、それが理想というかね。自分に正直に生きていきたいから」
 ともすれば、独りよがりの偏屈者になりかねない。だが、千北は決して譲らない。自らの流儀で伸し上がってきたからこそ、譲れない信念がある。
「僕は雑草。名前もないような、踏まれても踏まれても出てくる雑草。周りはエリートばかりだから、努力しなきゃ勝てない。だから、努力するんですよ」
日佐中―春日高と進んできた千北は自らを“雑草”と謙遜する。
「もし、僕が上手かったら、ここまで努力していたかどうか……」

 決してサッカーは上手くない。千北は、そう言う。だからこそ、努力を積み重ねることができた。一歩、また一歩。その歩みは決して速いものではなかったが、着実に成長という足跡を残してきた。その裏には強烈な自負と大いなる誇りが詰まっている。
「僕は継続して、惜しみない努力をするようにしてきた。だから、こういう現状がある。一日一日のトレーニングを大切にしてきたしね。でも、その一日がなかなか伸びないんだ。器用なヤツだったら、すぐにポンと伸びるのね。でも、僕はあんまり器用じゃないから少しずつ。だけど、それが365日、それが10年と続いていったら、すごい伸びになるでしょう。それは、もう確実に。それに関しては、自分に自信を持っている」
 才能を持ちながらも誘惑に溺れていった選手を何人も見てきた。能力がありながらも磨くことをせずに埋もれていった選手を幾度となく追い越してきた。愚直なまでの努力を積み重ねることによって、千北は天賦の才に恵まれたプレイヤーたちを眼下に見下ろしてきたのだ。
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