Photo Gallery | Back Page | Gazzetta Hisamatu Top
Special Columns
スペシャルコラム
Photo Gallery
つくられたオレのイメージは現実とは程遠いんだぜ
つくられたオレのイメージは現実とは程遠いんだぜ
――地元片縄で人気が沸騰していますね。
闘将千北(以下闘将) “人気沸騰”ってどういうことだ? オレにとっちゃ人気なんてあまり関係のないことだ。なにせ皆が自分をどう思っているかなんて、あまり気にしたことがないからな。オレは本質的に以前と何も変わっていないよ。

――あなたが自分の功績を公に認めたがらないのには、何か特別な理由でもあるのですか?
闘将 それはアンタの完全な誤解だ。オレという人間が残したピッチ上の功績は、常に実際存在していたものであって、自分のキャリアの一部だ。それ以外のものは、すべてたちまち消えていくものだと思うね。

――それはつまり、あなたは傷つくのが嫌だから、感情と人格は別物だと考えているという意味ですか?
闘将 (長い時間考えて)今までのキャリアの中で、そうしたことについてじっくりと考える時間を持ったことがない。確かなのは久山リーグ後、いくつかのことが少しばかり変わったという点だ。人々のオレに対する態度、とりわけスタジアムでの態度は激変した。人間というのは、ある特定の物事が自分の側へ近づくのを避けるため、武装をする生き物なのかもしれない。

――しかしその相手が、とても尊敬されている人物だとしたら、どうでしょう。
闘将 ただ、FCアルマダのために闘っているだけだ。それにオレは“単に尊敬されているだけ”という気は全くしていない。その反対に、むしろ過大評価されているんじゃないかと思うときさえある。オレの場合問題になるのは反感じゃなくって、対峙(たいじ)の象徴っていうか、そういったことが多い。相手のフォワードは試合中、千北光幸なる“人物”に向かってではなく、ある種の“シンボル”に向かって挑んでくる。つまり千北というFCアルマダのシンボルに向かってだ。FCアルマダにはとても多くのサポーターがいるが、同時にアンチ・アルマダも非常に多い。このクラブでプレーしていると、しばしば怒りの感情の矛先を向けられるんだ。だから尊敬だなんて……、オレは一度も個人的にそんな概念で捉えたことはないよ。

――自己防衛のためでも、ですか?
闘将 そうだ。オレはいつしか公の場で描かれている自分の像というのが、現実とはかけ離れたものだということに気がついたんだ。ただそれだけのことだよ。

――いったい何が現実とかけ離れていると言うのですか?
闘将 時が経つにつれ、人々は千北光幸のイメージが単純に描かれているということに気がつく。オレは野心旺盛で、まるで何かに取り憑かれたような人間に思われている。このイメージっていうのは時空を超えて脳みそに記憶の一部として保管され、必要なときにはいつでも何度でも引き出されるものだ。メディアが創り出したこうしたイメージが、実際は現実から程遠いものだということに人々が気がつくのは、もう少し歳をとってからのことになる。おかしなことに皆、あるときからそれがわかってもうまく順応して生きていけるんだ。彼らにとってイメージなんて、所詮どうでもいいことなんだよ。

――そうした人物描写は、あなたが今のポジションや成功を得るために支払った代価の一部と言えるでしょうか?
闘将 日々のビジネスにおいて一人の選手をじっくり研究している時間なんて必要ない。オレたち選手は取引される運命にあり、最も良い価格を引き出すために、独自のイメージを押しつけられる。このイメージは普通、長い選手生活を通じて変わることはない。しかし今オレは例外的なケースになりつつある。これはちょっと、珍しいことなんだよ。

――別の角度から質問しますが、あなたのようなスポーツ選手が独自のイメージを与えられる際、どうやって他人と距離を取っていくのでしょうか?
闘将 一例を挙げてみよう。オレは久山リーグの際、『ガゼッタ久松紙』に載せる記事をめぐって、とても多くの時間を割いた。というのも、誰かがきっと千北光幸という人物をありのまま描いてくれるだろうと思っていたのに、その内容があまりにも現実離れしていたからだ。オレは思わず「メルヘンチックだねぇ」と言った。そのジャーナリストはすでに以前からオレについて書きたかったことを頭の中にしっかり持っていて、会話をしている間ずっと自説を曲げようとしなかった。そうされると人はどんどん用心深くなるものだ。だからオレは可能な限りプライベートの部分を明かさないようにした。

――どういうイメージをあなたは広めたかったのですか?
闘将 仕事を一生懸命にこなし、それにすべてを捧げている普通の人間、だがとても人間味のあるタイプ、ということだ。あの記事を読むと、オレはまるで“毎試合、敵を壊滅させるサッカーマシーン”のような印象を受ける。これには引用符を付けておいてくれよ。

――あなたは自分の人間性をどのように見ていますか?
闘将 一度少しでもオレのキャリアを覗いて、いかにチーム内でリーダー的役割を果たそうと努力しているかを知れば、オレが必要なだけ他の選手たちに自分をさらけ出しているということにすぐに気がつくだろう。だが公の場でのオレは、アメとムチでいうと常にムチのみしか使っていないタイプの人間として描写されている。オレは他人の身になって考えたり、彼らが感じていること、考えていることを理解するのが得意なんだ。だから皆とうまくやれる。これはオレの人間性にとても大きく関わっていると思うよ。

――久山リーグ第8節エスパニョール戦での失点後、『西牟田スポーツ』紙が、「ただの人間だった」と書いていましたね。
闘将 エスパニョール戦でゴールを守れなかったとき、初めてメディアがそう思ったなんてこと全然知らなかった。正直、驚きだったな。オレはそれ以外の何者だってんだ?
1/3 | Next→
Photo Gallery

Photo Gallery | Back Page | ↑Page Top
Gazzetta Hisamatu Top
Copyright (C)2002 Gazzetta Hisamatu All rights reserved.
SEO [PR] おまとめローン 冷え性対策 坂本龍馬 動画掲示板 レンタルサーバー SEO