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 すれ違うイメージ。「絵」は一つになるのか……

 第2節 VS FCトルコ 4月29日
 決定力の差とひとつのミス……強風の中行なわれた”イケメン対決”ことFCトルコ戦はFCアルマダの課題が改めて浮き彫りになった。

 リーガ久山だから、決めるところを決めずに犯してはいけないミスを犯せば、絶対に勝てない。選手たちはみんな分かっていたはずだが、まさに、そういう試合になってしまった。お互いチャンスは多くなかったから、そのチャンスをどっちがものにするか。サッカーはそういうスポーツだ。例えば練習試合やミニゲームでは、ミスは単なるミスで済むかもしれないが、レベルの高いリーガ久山公式戦になれば、相手はミスを見逃してはくれない。FCアルマダは勝負の厳しさを、また教わったのではないか。

 FCトルコのチャンスは2度だけだった。GK久松が不用意に飛び出したところをループを沈められた失点の場面と、ペナルティーエリア外から右足で打たれたのを、GK久松がセーブしたシーン。GK久松のプレーはあまりに軽率で、与えてはいけない点だった。周りの状況が見えていないし、ほかのオプションもあったのにどうして不用意に前に出たのか……。49分間しっかりやっていても、1度のミスで評価を大きく下げてしまうのがDFの選手の宿命だ。ほかにはピンチもなかったので、本当にもったいなかった。

 しかし、FCアルマダは前半10分という早い時間での失点に慌てる必要はなかった。実際、コーナーキックからヘディンガー小倉があわやというシュートを放つがFCトルコGKの好守に阻まれた。その後も再三にわたりコーナーキックのチャンスがあったが、自陣に引いてしまったFCトルコを攻め崩すだけの力がなかった。正確に言うなら、崩す力ではなく「形」がなかった。

 GKの違いがそのまま勝敗を分けたFCトルコ戦だったが、「いかに攻め崩すのか?」、その狙いがなかなか見えてこない。数人が連動してボールを運ぶ場面もあったが、それが肝心のアタッキング・ゾーンで演じられることはなかった。ヘディンガー小倉が言う。 「あそこまで攻撃やパス回しにリズムがないと、どうしようもない」プレシーズンマッチから公式戦まで、チーム全体が同じ狙いを持って攻めるシーンは、ほとんどないままだ。

 形らしい形が見えたのは、「ルーキー」の永ーン助っ人を投入した後半からだった。永ーン助っ人の持ち味と言えば、マタギフェイントを織り交ぜながらのスピード豊かな突破力である。キャラクターがはっきりしている分、チーム全体に永ーン助っ人のドリブルで崩して攻める、という共通したイメージが伝わりやすかった。良し悪しを別にして、現状では攻めの形になっていた。

 しかし、トリッキー山下は言う。 「みんなが同じイメージをもってやらないと、崩せない。形というか、もう少しパターン練習をしてもいいと思う。今のFCアルマダの攻撃は個人技のある助っ人選手たちによって作られる”バブルの攻め”だ。助っ人が抜けてしまうと途端に攻め手がぼやけてしまう。既存のメンバーでこう攻めるという単純な図式を意識しないと……」

 選手同士でイメージをすり合わせるには、ディフェンスと同じようなある程度のルールを設けなくてはならない。形にならない攻めを対話を深めることで、個々のイメージをすり合わせていく。それが「一つの絵」として定着するまでには、大変な時間が必要なのかもしれない。

 最終的にどんな「絵」が描かれるのか。少なくとも、この日のFCトルコ戦では、絵を描くための筆すら選びかねているような印象を残した。 「次節までにベースを作らなければならない」と、原ウールは言う。そのベースとは、与えられた「絵」をなぞる者たちの集まりなのか。それとも、自ら筆を取って「絵」を描こうとする独立心の強い者たちの集まりなのか。


[試合結果] FCアルマダ 0−1 FCトルコ
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すれ違うイメージ。「絵」は一つになるのか・・・

小倉ドンピシャヘッドも無念。FCトルコGKは意外にヤル!!!
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