GAZZETTA
Stairs to a victory 「追試の追試」に臨むFCアルマダ 10月31日

Stairs to a victory 「追試の追試」に臨むFCアルマダ
病魔に蝕まれたGKティム・浜ード
試合終了を告げるホイッスルが鳴ると、もはや見慣れた光景がフィールドに描かれた。白のユニフォームはハイタッチと抱擁を繰り返し、赤いユニフォームはフィールドに散らばったまましばらく動けない。違ったのはそのあとである。どんな敗北でも、FCアルマダは悔しさをあらわにしたものだが、この日は天を仰ぐか俯くばかり。沈黙が意味するものは、降伏だった。

そもそも今までがラッキーにすぎなかったのか……。開幕から8試合で7失点だったが、最近の2試合では4失点。人材不足が叫ばれるFCアルマダDF陣。大山鳴動するも、強化はとんと行なわれない。来季に向けてのCB補強リストはあるものの、それが実現する可能性は薄いと言われる。人材難による守備陣の崩壊は、開幕前から予想されたことだった。

試合後、そんなクラブの姿勢に西牟田・カルロスは口を尖らせた。
「ディフェンスが弱いだって?そんなことを言われても仕方ない。1点目、2点目ともに自分の寄せが遅かったせいさ。俺だって、チギジョル、パマッチ、原ウールが恋しいよ。的確な判断で後ろから攻撃陣をフォローし、即座に危険地域を察知できる彼らのおかげで、“時化た守備”は湖面のように落ち着くんだ」。

守備システムには、各選手の“スタート・ポジション”というのがある。リスタートするときや、プレスをかけるときなどは、各選手はそのポジションにいることが約束事になる。例えばボールを奪われてカウンターを受けそうになったら、選手は各自のスタート・ポジションに戻らなくてはいけない。これが徹底されるから、バランスの取れた守備ができるし、ボールを奪ったときにみんなが選手の位置を把握できる。

コーナーキックからの失点のシーンは“スタート・ポジション”が無くなってしまい、各自が思いつくままポジションを取っていた。マークも不徹底で混乱した状態だった。2点目も精神的に引きずったままミスが重なった。ロングボールを蹴り込むFC Aは明らかに「そこ」を狙っていた。久ヴェド、西カル、ヨシダン・ヴィエリ、外ッサーノという急造4バックと、病魔に蝕まれたGKティム・浜ードでは致し方ないか。

勝利で締めくくれば5割となる最終戦は「卒業試験」と言えるだろう。いやむしろ、4勝3敗1分で残り3試合とした段階で、2勝すれば「卒業試験合格」と言えたかもしれない。しかし、現状はと言うと、卒業試験に失敗し、追試にも失敗。サクラサクこともなく「追試の追試」に臨むというのが妥当なところだ。

「勝ち点3」という条件を満たして試合を終わらせるために何をすべきか。試合の流れのTPOに応じた成熟したプレーを見せて欲しい。単純なクリアーやタッチアウトさえも必要なこともあるだろう。そんなシンプルなプレーを織り交ぜながら、必要以上に興奮することなく、精神的ストレスなど感じないがごとく「大人」のサッカーを見せて欲しい。

「誰でも、大なり小なりミスはする。自分たちのやり方で戦うしかない。目標は勝利だけだ。こういう状況でも勝てるチームだということを証明したい。そうすれば自信になり、今後のFCアルマダのプラスにもなる」。この一年の集大成として最終戦に照準を合わせた指揮官から選手への警鐘のメッセージだ。そして、最後にこう結んだ。

「最終的に我々は勝つ。我々は、まだ何も手にしていない。勝たなければ何の意味もない」。

[試合結果]
FCアルマダ 0−2 FC A

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