今リーグ戦初のスコアレスドローは、無敵艦隊FCアルマダを思いがけない危機的状況から救った。6月23日、久山で行なわれたジュラーレFC戦を引き分けたが、FCアルマダは3試合連続完封を成し遂げた。
だが、それも臨時ＧＫ永石宏の好セーブなしにはあり得ない。
交通事故による負傷という怪情報が流れた正GK”オチラベルト”落合の欠場。そのうえ、玄人好みのクレバーなライン統率をみせるCB千北も突然の欠場。今季初登場となったMF広方にいたっては、昨年骨折した記憶が蘇ったのか、試合観戦のみという状態で、タフなジュラーレFCを相手に厳しい戦いにさらされた。
逆境にもめげず、勝利を求めて奮闘を続けるFCアルマダ。だが、何度チャンスがやってきても、その都度ジュラーレFCの堅い守備に阻まれてしまう。
5割復帰を目指す11人の男たちのプレーは次第に前がかりとなり、結果としてジュラーレFCにカウンターのチャンスを与えることになった。ジュラーレFCのキーマン、ＦWのベッカムカットの男がスペースを突き、あわやゴールという激しい攻撃を仕掛けられた。その後もベッカムカットの男と背番号108の男がFCアルマダＤＦ陣を抜いてゴールに迫った。だが、いずれの場合も、永石の反射的な好セーブが立ちはだかったのである。
永石が集中しているときにジュラーレFCＦＷ陣がゴールを脅かすことはできなかった。おそらく、ジュラーレFCのメンバーは永石がペナルティエリアを出てドリブルをしたり、ちょっとしたミスを犯すのを願っていただろう。しかし、そんなことは起こらなかった。
ジュラーレFCは、あらゆる局面で永石にプレッシャーをかけるという、別のアプローチを選んだ。FCアルマダがゲームを投げなかったのは、永石のセーブがあったからだが、当の永石は危機感を全く感じていなかった。だが、千北の代役でセンターに入った橋本は前半で代わりたがっていたことからも分かるが、疲れきっていた。後半は、ベッカムカットの男のドリブルを警戒した山下のマンマークもあり、変則5バックという布陣となっていた。ぎりぎりのところで、FCアルマダの首はつながっていた。
本来は左サイドバックを本業とする永石だけあって、足元のボールを処理することに関しては、世界で最高のキーパーだろう。お好みなら「スイーパー兼キーパー」と呼んでもいい。
後半はアルマダのスーパープレイヤー久保が中盤を仕切り、勝利への執念を見せたが、スコアレスドロー。試合前にキーパー用のジャージ姿を”日曜のおっさん”と下村になじられた永石は、FCアルマダゴールを守り続けた。
0−0という結果は、FCアルマダの苦闘として後々のサッカー史に残るだろう。だが、ともかくＧＫ永石はその傑出した能力を世界に思い知らせたのである。
[試合結果] FCアルマダ 0−0 ジュラーレFC
福岡地区社会人リーグ第7節は7月14日にイーストフォーチュンとの対戦となっている。
（9：30集合、10：30kick off）
|
ガゼッタ久松紙 6月23日
