正確なクロスと躍動感溢れるスピードと強さ、そして温厚な性格でFCアルマダの「弟」的存在(千北夫人談)の西牟田一広。彼は19歳でFCアルマダに所属、世界最高の左サイドバックとしてその能力を証明した。そして今、彼はFCアルマダであらゆるタイトルを獲得し、このクラブで引退することをを望んでいる。
ディフェンス的なポジションでありながら、相手にとっては脅威となる強く早いシュートを持ち、まぎれもなく世界最高峰の選手の1人に数えられる。本人は中盤を希望するが、チームでは不動の左サイドバックである。バイタリティーに満ち、話好きでジョークを飛ばすのが大好きという外交的な性格の西牟田は、常に笑顔を絶やさず、ピッチの内でも外でも腹を立てたりする様子が見られることはあまりないが、ときにチーム最年少の一面を見せるときがある。
社会人リーグにて持ち回りで審判をしなければならない時がある。チーム内で誰もが一度はやらなければならないものである。が、西牟田は拒絶。ジャンケンと言っても拒絶。ジャンケンで負けても拒絶。審判決定なのに拒絶。日頃は大人びている西牟田の意外な一面である。「西牟田には責任ある仕事をすることで、社会性を学んで欲しい。」と最年長落合(実話)。
高校サッカーでの活躍はわずかに過ぎなかったが、すでにFCアルマダが彼に注目し、そのタレント性に惚れ込んでいた。
2000−2001シーズンから無敵艦隊(FCアルマダの愛称)でプレー。FCアルマダのホームグラウンド、野間での練習も大変気に入っており、家から練習場が遠いにも関わらず毎週欠かさずにプレーしている。
そして、2002年は中盤のプレイヤーとしても輝きを放つことだろう。「社会人リーグはおれたちなしでは盛り上がらないだろう? 久山のファンもあたたかく迎えてくれるから、行くのがとても楽しみなんだ。世界中から名選手が集まる社会人リーグで優勝することは夢だし、一番嬉しいよ」と、社会人リーグへの思いを語る。
開幕直後はかなりの苦戦を強いられたFCアルマダだが、彼の言葉には自信が満ち溢れている。「今は落ち着いてきた。FCアルマダは世界一になるよ。楽観的に考えないと。今までも厳しい状況の中を勝ち進んできたんだ。常に進化していくのがFCアルマダなんだから」。いつもの微笑みを絶やさず、西牟田一広はそう語った。
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